ゆたかなネット社会の形成と 子どもたちの健やかな成長のために

(緊急提言)


1 現状をどう見るか? ネット社会の負の側面が、今後、急激に増加し、子どもたちに悪影響を与える可能性が高い


2 何が問題なのか?

1)犯罪や悪意からの攻撃や無法・有害コンテンツなど
2)子どもたち同士のコミュニケーションから生じる問題


3 問題の背景

1)匿名性や個別性、双方向性などインターネットに固有の問題
2)家庭や地域での「子育ち」環境の悪化
3)多様なメディアの影響


4 問題解決の基本方向

1)インターネットの匿名性の克服により、安全・安心なネット環境をつくる
2)子育ち環境の再生(家庭、学校、地域など)


5 具体的な方策の提案

1)匿名性を利用した犯罪や悪意の攻撃を抑制するための方策
 ・携帯や検索サイトなど、安全モードを初期設定(デフォルト)にする
 ・プリペイド携帯の規制
 ・「究極の匿名性」を克服する方策の検討・・・技術的、法的、社会的側面

2)メディアの影響を総合的に評価する「メディア倫理委員会」の創設
3)最低限の対応力(リテラシー)を身に着けるための方策
4)親子のコミュニケーション回復など、子育ち環境再生の方策
5)家庭、学校、地域などが連携した<あったか家族支援ネット>の形成

6 ピンチをチャンスに変えよう!



平成16年10月27日

ネット社会と子どもたち協議会






私たちの基本的な認識

本年6月、小6女子による同級生刺殺報道に、私たちは強いショックを受けました。

それ以降も、中3男子の爆弾製造、高3男子の殺人予告、中3女子の売春斡旋などが相次いで報じられています。さらに、出会い系サイトによる女子児童被害の急増や100億円を超すオレオレ詐欺など、ネット社会の負の側面が噴き出した感があります。

これらの事件は氷山の一角であり、今後、急激に増加する可能性が高いと、私たちは考えています。

私たちはこれまで、インターネットを活用しながら社会活動を行ってきました。インターネットは、実社会の可能性を広げるすばらしい道具であると考えています。

しかし、豊かなネット社会を発展させるためにも、今、その弊害を直視し、特に、無防備な子どもたちを危険から守るために可能な限りの対応をする必要があると考え、この協議会を立ち上げました。

インターネットは有益な情報の宝庫ですが、同時に危険な情報の巣窟でもあります。自己の確立していない子どもたちが後者にかかわれば、直接的な危険にさらされたり、抑制が効かず反社会的な行為に及ぶようになってしまう場合があります。

そして、これらの問題の根底には、戦後社会の中で失われてきた家庭教育(しつけ)や家族の会話、地域社会、学校、メディアのあり方など、子どもの成長環境全般の悪化という根深い問題があります。

私たちは、社会を構成する自立した市民として、これらの問題を自分自身の問題と受け止め、約4か月間にわたり解決方向を模索してきました。

そして、次の二つを柱とする緊急提言をまとめました。

第一に、インターネットの匿名性の弊害を克服し、犯罪などのリスクを軽減するために、市民社会が適切なルールと規制のあり方を創り出すこと。

第二に、親子のコミュニケーション回復をはじめ、家庭、地域、学校、メディアなど子どもの成長環境を改善すること。

この提言は、限られたメンバーによる、限られた期間の検討から得られた一つの方向にすぎません。もっとたくさんの人たちから、より多くの知恵を出していただければ、さらに良い対応策が見つかると思います。

社会に存在するどのような問題であれ、怪物が勝手に何かを行っているわけではありません。問題は私たち自身が創り出し、あるいは見過ごしてきたものです。今、私たち一人ひとりが、事態に責任を負う覚悟を固めて力をあわせるならば、状況の悪化を食い止め、解決への一歩を踏み出すことができると確信します。

たくさんの知恵と力が必要です。

ごいっしょに考え、ごいっしょに行動しましょう。



1 現状をどう見るか?

・・・ネット社会の負の側面が、今後、急激に増加し、子どもたちに悪影響を与える可能性が高い

私たちは、ネット社会と子どもたちに関連して起きているさまざまな問題は、今後、急激に増加する可能性が高いと考えています。   理由の第一は、ネット社会にはたくさんの利点がある反面、子どもが無防備で参入するには、あまりにも危険な世界であることです。ポルノ、出会い系、薬物通販、爆弾製造など野放しの無法・有害コンテンツ。オレオレ詐欺や迷惑メールなどいたるところに仕掛けられた犯罪のワナ。そして、掲示板やメーリングリスト(メール会議室)、チャットなど、緊密であるがゆえに激しやすいコミュニケーション空間。ますます多くの子どもたちが、簡単にこれらの世界に接触をしています。

第二は、ネットの基盤であるブロードバンド(高速常時接続)やインターネット携帯は、この数年に爆発的に増加し、その影響はこれから本格化すると考えられることです。これらは、日本のIT革命そのものであり、さまざまな可能性を私たちに与えてくれました。社会全体での情報と認識の共有を促進し、NPOの発展や連携をも支えています。

しかし、この基盤の上で、ネットの負の影響もまた急激に拡がり、深刻な社会問題となる可能性が高いのです。  第三は、子どもの異変は今始まったわけではなく、改善にはたくさんのエネルギーと時間を要すると思われることです。問題の根底には、親子のコミュニケーション不全をはじめ、家庭、学校、地域、メディアなどでの子育ち環境の悪化がありました。その影響は数十年をかけて人の心に蓄積され、既に多世代に浸透しています。こうした素地の上に、ネットの負の側面が急激に拡がったと考えています。


2 何が問題なのか?

ネットから生じている問題には、大きく分けて、次の二つの問題があります。

(1)犯罪者や悪意からの攻撃や無法・有害コンテンツなどの問題
(2)子どもたち同士のコミュニケーションの中から生じてしまう問題

また、子どもたち自身が、詐欺や脅迫、売春斡旋などの犯罪の世界に入り込むケースも増えています。

(1)犯罪や悪意からの攻撃や無法・有害コンテンツの問題

ア 犯罪や悪意からの攻撃

出会い系サイトでの子どもの犯罪被害(売春、性暴力など)の検挙件数は、3年間で17倍に増加しました(平成15年)。

このうち、
・携帯電話を使用したものが1,659件で95%を占め、
・被害者1,510人中18歳未満が1,278人(85%)、そのほとんどが女子児童です。

さらに、子どものサイト(ホームページやブログなど)への犯罪者の接近、100億円を超すオレオレ詐欺、脅迫による高額請求、架空口座などネットを利用した犯罪はますます広範かつ周到になり、市民社会と子どもたちを脅かしています。

イ 無法・有害コンテンツ

サイト上のコンテンツは無法状態です。
当協議会では、実際に有害サイトを検索し、検証したところ、紙の世界では入手できない情報を簡単に検索し、入手することができました。

出会い系サイト、売春・買春、衣類などの売買、違法・無修正アダルト、架空口座などネット関連詐欺、カルト系、自殺掲示板、誹謗掲示板、覚せい剤や爆弾の作り方、覚醒剤の闇市、暴力や拷問、殺人・死体などが、誰でも簡単に検索し、アクセスできる状態です。

これは異常な事態であると、私たちは考えます。

他のメディア(テレビ、映画、新聞、雑誌など)と異なり、ネット上のコンテンツには、事実上、何の制限もありません。


(2)子どもたち同士のコミュニケーションから生じる問題

子どもたちは今、掲示板やメーリングリスト(メール会議室)、ブログ(日記風サイト)チャットなど、ネット上で緊密なコミュニケーションを交わしています。親子のコミュニケーションをはじめ、身近で信頼できる人とのコミュニケーションが不十分なまま過度にネットにのめりこんだ場合には、おとなから見れば些細なトラブルが、子どもには自己の存在そのものにかかわる問題として受け止められ、反社会的な行動に及ぶことがあります。

対面や電話の場合には、一対一のコミュニケーションですが、ネットの場合には、公衆の面前で自己の人格を否定されたような感覚が生じます。おとなでも、メーリングリストなどで、激したやり取りが生じることが少なくありませんが、子どもの場合には、自己を抑制する社会関係がおとなよりも少ない分、簡単に傷ついたり、傷つけたりしてしまうことになります。

これらの問題を解決するためには、親子の会話をはじめ、生身のコミュニケーションを豊かにし、子どもの成長環境を改善することが必要です。


3 問題の背景

背景には、ネットに固有の問題と、ネット以前の子育ち環境の問題、さらに多様なメディアの影響の問題があります。

(1)ネットに固有の問題 〜 メディアとしての特徴

ネットには、他のメディアと異なる際立った特徴があります。

ア 発信者の匿名性

ネットの世界では、低レベルから高レベルまで、発信者の匿名性が際立った特徴です(資料)。

この結果、

まず第一に、技術的に詳しくない発信者も、自分が特定されないと錯覚し、気楽に誹謗中傷や殺人予告の書き込みを行う風潮が拡がっています。殺人予告など犯罪の場合には逮捕されるケースが増えていますが、犯罪に至らない場合には、とりあえず匿名性が確保されていることも事実です。

第二に、技術的に詳しい発信者が偽装した場合には、現状では特定が困難であり、犯罪や悪意からの攻撃を容易にしています。これはいわばインターネットの究極の匿名性であり、どう克服するかは、市民社会に課せられた大きな課題です

また、表現の自由という名の下に低俗・有害・違法情報が氾濫し、場所や利用端末に依存しないウェブサービスが拡がっていることも重視する必要があります。

イ 個別通信性

ブロードバンドの普及により、個人が長時間、パソコンを占有的に利用することが可能になりました。インターネット携帯の爆発的な普及により、完全な個別利用へと進んでいます。家庭での子ども部屋が増えている中で、子どもによる個室(密室)での情報機器利用も進んでいます。テレビ、ゲーム機、パソコン、携帯電話などで、子どもが何を視聴し誰と通信しているかを親が知らない状況が増えています。

こうした中で、犯罪や悪意の攻撃に子どもたちがさらされると同時に、「ネット依存症」の恐れも生じています。韓国ではネット依存症が深刻な事態と認識され、対応が始まっています。

ウ 緊密な双方向性

ネット社会では、時間・場所・状況(TPO)に応じて双方が都合の良いメディアを選択することで、短期間に効率の良い緊密なコミュニケーションが可能です。

電子メール、メーリングリスト、掲示板、ウェブ(ホームページ)、ブログ(日記風のホームページ)、インターネット電話、ショートメッセージ、インスタント・メッセージ、チャット、携帯電話、電話、FAXなど。

適正に利用されている限り、緊密な双方向コミュニケーションには、多くの利点があります。

しかし、親子、家庭、友人、近隣などでの生身のコミュニケーションが希薄になっている中で、ネットでの緊密なコミュニケーションが進んだ場合、未成熟な子どもの場合には「ネットが命綱」というような状態が生じ、過剰な影響を受けます。

また、悪意あるおとなが、名前や年齢を偽って子どもに接近して親密になり、子どもにさまざまな被害が生じるケースも増えています。

エ 甚大な影響力と波及性

インターネットを使えば、誰でも、瞬時に世界に情報発信することができます。単一のメディアとしては、最速で最大の波及性があります。これは、物理的な国境が意味をなさないボーダーレス社会が生じたことを意味しています。

個人でもマスメディア(放送・出版)と同じことができ、これほどまでに簡単に甚大な影響力を発揮できるメディアは、他にありません。

この結果、個人の多様な情報発信が可能となり、企業や行政の情報公開を加速し、弱者や少数意見も権力の横暴を正し得るなどの利点が生じました。

しかし、これはまた、悪用する側にも極めて効率的なメディアであることを意味します。広範に犯罪のワナが仕掛けられ、莫大な被害が生じています。悪意のデマや誹謗中傷も簡単に世界に拡がり、一旦発信された情報はコピー、転送され、紙と違って永久になくなりません。

少数の人間が、仲間内でメールを楽しんでいた初期のインターネットの世界とは全く違った状況が生じているにもかかわらず、ルールや必要な規制が遅れています。

オ 年齢と対応力(リテラシー)の逆転

ネットの世界では、子どもが機器の操作に習熟し、親や教師が子どもに追いつけない状況が広範に生じています。おとなはマニュアルを読み、講習を受けても、習得に時間がかかるのに対し、子どもは機器をさわりまくることで急速に習得するからです。

この結果、親や教師はネットの使い方を子どもに教えるどころか、子どもが何をやっているのかを把握できない状態があります。親子のコミュニケーションが取れていれば、状況の把握ができますが、不十分な場合には、思いもかけない問題が突然生じることになります。

カ 何でも無料という風潮

ネットの世界では、提供される情報は広告入りで無料という、民放テレビのビジネス・モデルが普及しました。このため、例えばホームページや検索サイトでは、広告料を獲得するために、テレビの視聴率至上主義と同じくアクセス数至上主義が生じている場合があります。

例えば、有害・迷惑情報について、サービス提供者は、技術的な問題(チェックの方法)、法的問題(「表現の自由」や「送信義務」)に加えて、他社との競争上、適切な規制ができない状況があります。

(2)家庭や地域での「子育ち」環境の悪化

ア 「大きい開いた家庭」から「小さい閉じた家庭」へ

 かつて直系三世代が暮らした大家族「大きい開いた家庭」は、戦後、若夫婦中心の核家族に変わりました。家族関係、社会風潮、地域環境などが激しく変化し、親子や家族のコミュニケーションはじめ子どもの成長環境もまた悪化したと、私たちは考えています。

典型的な家族の情景は次のようなものです。

親世代との同居がなくなり、夫は遅くまで働き、妻が子どもを預かります。「学歴さえあれば」との社会風潮から、近所の主婦との競いあいが始まりました。

帰宅の遅い夫の支援もなく、社会的訓練を受けていない妻は、近隣との関係では背伸びし、あるいはうわべを装うしか対応策を持たず、子どもには「家のことをよその人にはしゃべらないように」「○○ちゃんには負けてはだめよ」などと言い聞かせ、父親不在のまま「小さい閉じた家庭」を形成していきました。

子育ての基盤として夫婦の成長が必要ですが、それどころか、夫も妻も子どもも孤立感を増し、さびしさを募らせていくようになりました。妻は、子どもと共に父親に対抗する親子連合をつくり、父親は孤立感を増しました。

子どももまた、友だちに心を開くことができずに孤独感を増し、何をやっても面白くなく、友人関係もうまくいかなくなり、いじめの対象になることもあって学校に行くことがつらくなりました。

孤独感から逃れるために、家族の誰かが何かにのめりこみ、それをやらないではいられない不安定な状態になりました。アルコール、買い物、ギャンブル、ゲームやネットへの依存、過食や拒食などが進み、心の健康が蝕まれていきました。

以上の描写は、やや極端だと思われるかもしれません。しかし、こうした家族の情景に思い当たる人は少なくないと思います。当協議会での意見交換の中でも、かつての企業戦士たちから、しばしば痛切な反省が述べられました。

このような状況では、心身が健康な成人を社会に送り出すことができません。そして、こうした環境で成長した子どもが、やがて親になって子どもを持ち、負の影響が世代を超えて連鎖していきます。


イ 地域社会の変化

さらに、かつては家族を包み込み、子育てを支援していた地域社会が都市化により衰退し、家庭の孤立を促進しました。会社人間の夫にとっては、もともと地域とのかかわりは薄く、親子で社会活動に参加する機会も減りました。

職住の分離、家事の省力化・コンビニ化、学力・学歴偏重、遊び場の変容、自然との触れあいの減少、メディアとの長時間接触など、あらゆる変化が、子どもの成長環境を悪化させたと考えられます。

子どもは多様な人々との関わりが減った結果、他者や社会への関心がうすれ、うまくコミュニケーションをとることができなくなりました。自己中心的な行動が増え、"子どもたちの異変"へとつながり、他者を思いやることのできない子どもたちが、世代を越えて拡大再生産されています。

こうして、

・個人のレベルでは、キレる子ども、現実逃避、各種の依存症、命の軽視
・家庭のレベルでは、育児不安、しつけの放棄、育児放棄、児童虐待
・学校のレベルでは、学級崩壊、いじめ、登校拒否、不登校
・地域のレベルでは、学校にも通わず、職探しもせず、職業訓練からも取り残された

若者「ニート」の増加など問題の根は深く、私たちの内側で拡がっており、今も進行中です。解決は容易ではありません。

しかし、子どもの異変は社会そのものの異変です。もし、このまま流れに任せれば、状況は加速度的に悪化して、社会は内側から崩れて行くでしょう。異常気象がいつの間にか日常化したのと同様に、私たちは、日本の社会に生じた異変を黙って見過ごしていくのでしょうか。

どんなに遅くても、遅すぎることはありません。私たちは、ここから出発し、建て直しに向けての一歩を踏み出したいと心から願うものです。


(3)メディアの影響〜いのちが軽くなっていないか

人間のいのちを軽く考え、簡単に人を殺したり、自殺したりするケースが増えていると、私たちは感じています。

1989年の女子高生コンクリート詰め殺人事件。
1997年の神戸小学生殺害事件。
2002年の高校生によるホームレス暴行死事件。

そして、本年6月の小学生による同級生殺害事件。  保険金目当ての殺人、子殺し、親殺し。子どもやおとなによる連鎖自殺やネット心中などの報道にも、私たちは最早驚かなくなっています。

こうした傾向の大半は、インターネットに先立つ数十年間に形成されたものと考えられます。原因として、前項で述べた親子のコミュニケーション不全などの問題に加えて、さまざまなメディアが人間の心に与える影響を考えてみる必要があります。 

人間には殺人(同種殺し)に対する強烈な抵抗感があり、戦闘においてもこれを克服するのは容易でないため、近代の軍隊は殺人への抵抗感を克服するための訓練プログラムを実施しているとされます(「戦争による人殺しの心理学」1998年 D.グロスマン)。

そしてこの著者は、「娯楽産業は、軍と全く同じやり方で若者を条件付けしている。一般社会は、命がけで軍の訓練と条件付けの技術を猿真似している」と指摘しています。

既に1993年、米国心理学会の「暴力と青少年に関する委員会」は、テレビでの暴力シーンの頻繁な視聴と攻撃的行動を取り易くなることの関連性について、「疑いの余地は全くない」と警告しています。

1995年、アメリカの小児科学会は、メディアの暴力と子どもの攻撃的行動との関連は、1,000以上の研究から明らかとしています。

「法の外で復讐するヒーロー」、「醜怪で社会病質的なホラー映画」などが子どもたちの内面にどのような影響を与えているのか。インターネットと同様、テレビや映画、そしてコンピュータゲームなどのメディアの問題もまた、私たちは見過ごすことはできないと考えます。


4 解決のための二つの基本方向

私たちは、問題解決のためには、(1)ネットの際立った特徴である匿名性の克服と、(2)親子コミュニケーションの回復など子育ち環境の再生の二つが必要だと考えます。そして、家庭でも学校でも地域でも、自分も他人も大切にする、人権を尊重する風土をしっかり育てていくことが重要です。

(1)インターネットの匿名性の克服・・・安心・安全なネット環境をつくる

インターネットが日本に入ってきてから僅か10年ですが、明確なルールや規制のないまま急成長し、巨大なコミュニケーション空間が形成されました。
車の場合には、運転免許、車両登録、ナンバー表示、交通信号や速度制限などたくさんの規制があり、違反をしたり事故を起せば追跡され、処罰されます。インターネットの影響がここまで大きくなり、犯罪など負の側面も顕著になってきた以上、市民社会自身が適正なルールと規制を創り出す必要があると、私たちは考えています。その核心が、インターネットの際立った特徴である匿名性の克服です。

組織犯罪の告発の際など、匿名性が重要な意味を持つ場合があり、全ての匿名性が有害であるとはいえません。しかし現実に、インターネットの匿名性により、さまざまな問題が生じていることは事実です。

匿名性の克服には、二つの内容があります。

第一は、犯罪や悪意からの野放しの攻撃を抑制し、子どもや市民社会のリスクを軽減することです。

現状では、用意周到に準備された場合には、情報発信者を特定できないため、犯罪者や悪意の人間が思うがままに振舞っています。適切なルールや規制により、安全なネット環境を形成する必要があります。

第二は、人間の心に潜む悪意や攻撃性の発現を抑制することです。

匿名状況下では、人間の攻撃性が高まることが観察されています。ささいなトラブルから不幸な事態が生じることもあります。

この解決のためには、次に述べるような、親子、家庭、学校、地域などにおける、実名で善意のコミュニケーションを豊かにし、内なる悪意や攻撃性の発現を抑えていくことが必要であると考えます。


(2)親子のコミュニケーションの回復など、子育ち環境の再生と、支援ネットワークの形成

現実の社会と同様、ネット社会もまた、リスクを軽減することはできてもゼロにすることはできません。また、好意と善意から始まったコミュニケーションから憎悪や悪意が生じ、互いに傷つけあうような問題を回避するためには、子どもたち自身の状態を改善することが必要です。

私たちは、ネット社会と子どもたちの問題を根源から解決するためには、長い歳月をかけて進行してきた子育ち環境の悪化を食い止め、回復・改善させることが必要であると考えています。

ア 親子のコミュニケーション回復など、家庭の子育ち環境の再生

親子のコミュニケーションを回復し、家族の会話を増やすことが決定的に重要です。これは、識者が共通して指摘している問題です。

親子、家族のコミュニケーションを改善するためには、家庭を外に少し開く必要があります。

保護者の仕事の仕方、学力偏重の価値観、テレビやパソコンとの接触時間の見直しなどにより、家族のコミュニケーションを意識的に創りだし、増やす必要があります。

子どもの成長環境、その最も重要な家庭での子育ち環境を改善することができるかどうか。私たちは、子どもに対するコミュニケーションの仕方を熟練させていく必要もあります。ピンチをチャンスに変える場面です。

イ 家庭、学校、地域、NPO、民間企業、行政などが連携した<あったか家族支援ネット>の形成

残念ながら、現実の家族が十分に機能を果たせない場合があります。痛ましい児童虐待が急増しており、保険金目当ての子殺しさえ起きています。現実には、親から子どもを守るのが急務である場合さえあります。

私たちは、親と子、家族のコミュニケーションが重要であることを強調していますが、子どもの問題を家庭まかせにできる状況ではないと考えています。

十分な機能を果たせない家族を補完し、家庭、学校、地域、NPO、民間企業、行政などが連携して家族を支援し、子育ち環境を改善していくネットワークが必要です。これを、私たちは<あったか家族支援ネット>と名づけました。

核家族化の進行や都市化による地域社会の衰退が始まってから数十年になり、気がつくと子育ち環境は悪化の一途をたどっていました。こうした中で、家族を地域で支援するネットワークは形成できるのでしょうか?

私たちは、日本の社会に生じているもう一つの大きな変化に注目しています。

90年代中頃から、それまでは女性と高齢者が主体だった地域社会に、徐々に男性がかかわりだしました。やがて、たくさんのNPOや市民活動が発生し、あるものは地域に根付き、成長していきました。会社勤めの人間が地域とかかわりを持つうえで、また、それぞれのNPOが互いに連携していくうえで、インターネットは強力な効果を発揮しました。

こうして、高齢者福祉、防災、防犯、清掃、環境、情報化など、NPO等がかかわる分野が次第に増え、地域社会の経営主体としての存在感も強まりました。

私たちは、<あったか家族支援ネット>においても、NPO等が重要な役割を果たすと考えています。


5 具体的な方策の提案

(1)匿名性を利用した犯罪や悪意からの攻撃を抑止するための方策

ア 安全モードを初期設定(デフォルト)にする
匿名性を利用した犯罪や悪意からの攻撃を抑止するために、インターネット携帯、検索サイト、プロバイダ、パソコンなどの初期設定(デフォルト)を安全モード(セイフティ・モード)にする必要があります。

現状は、初期設定が「何でもモード」(フル・アクセス)であるため、ついつい、そのまま使ってしまう人が多いのです。子ども用の安全モードのサービスはネット関連企業により提供されていますが、新たな契約あるいは設定の変更が必要なため、市民の関心が薄く、あまり使われていないのが実情です。

現実には、安全モードにするためのフィルタリング・ソフトは完全でなく、抜け道や不便さがあります。しかし、やたら構わず有害メールが携帯に飛び込み、有害コンテンツに子どもがアクセスできてしまうのは。どう考えてもおかしなことです。

フィルタリングについては、二つの問題を整理する必要があります。

第一は、憲法に規定された表現の自由です。しかし、犯罪や明らかな有害情報を提供し、市民に被害を与える自由はありません。市民社会は、適切なルールを創りだす必要があります。

第二は、電気通信事業法による通信義務です。「フィルタリングによって、もし一つでもまともなメールがはじかれたら問題になる」と考えている通信事業者は多いと思われます。

これについては、電気通信事業法の義務規定を緩和して、明らかに有害である場合には送信しなくてもよいことにするか、あるいは、東京都条例によりフィルタリングを義務付けるなどが考えられます。

これらについて、当協議会は、関連企業のご参加を得て、どのような方策が可能であり、また適切であるかについて具体的な検討を開始します。

(ア)携帯電話

・「安全モード」を初期設定とします。

まず、携帯でのウェブサイト検索については有害サイトにつながらないようにした安全モードを初期設定とします。成人の場合には、希望により「何でもモード」に設定を変えることができます。  

・子どもへの携帯電話は、安全モードを義務付けることとします。
・メールのフィルタリング機能の強化

有害メールが簡単には携帯に届かないようにフィルタリング機能を強化します。

(イ)検索サイトやインターネット・プロバイダ

安全モードを初期設定とします。

おとなが自己の責任で何でもモードに切り替える際には、次のような警告表示を出すこととします。消費者に危険を正確に知らせた上で、初めて自己責任を問うことができるという考え方によるものです。

(表示例)「この検索モードからは、有害コンテンツや違法サイトにつながり、犯罪に巻き込まれたり、高額な料金を請求される場合があります。危険性をご理解いただいたうえでご利用ください」


(ウ)パソコン

 フィルタリング・ソフトが簡単に作動する状態を初期設定とします。


最近のパソコンには、ほとんどがフィルタリング・ソフトを最初から搭載しています。しかし、たくさんのソフトの一つであることから、現実には作動させていないケースが多いようです。

最初にパソコンを立ち上げたときに、フィルタリング・ソフトが簡単に作動させられるように初期設定することとします。

 イ プリペイド携帯を規制する

プリペイド携帯は、旅行者などには便利ですが、現実にはオレオレ詐欺などの犯罪に使用される危険性が強いため、適切に規制すべきです。利便性の高い商品であっても、他の公益を損なう場合には、バランスが必要です。

 ウ 究極の匿名性を克服する方策の検討・・・技術的、法的・制度的、社会的側面の検討

インターネットでは、高度な技術レベルを持つものが周到に準備した場合には、情報発信者を特定することが困難であり、これが、究極の匿名性です。

当協議会での一つの検討結果をホームページに掲載します。

簡単に結論が出る問題ではなく、技術的側面、法的・制度的側面、社会的側面の三つからの検討が必要です。

私たちは、関連企業の参加を得て、当協議会のもとに検討委員会を設置し、検討を行うこととします。関係機関においても、この問題の検討が行われることを希望します。


(2)メディア全般の影響を評価し、対応するための方策 ・・・子どものための「メディア倫理委員会」の創設

インターネットに限らず、テレビ、映画、コンピュータゲーム、雑誌などさまざまなメディアの子どもへの影響を総合的に検討するためのメディア倫理委員会の創設を提案します。委員会は、倫理基準を設定し、子どもの利用の可否などを判断します。

インターネットについては、有害・不法サイトや迷惑・有害・不法メール送出先の監視とリストアップ、更には利用者からの告発も求め、フィルタリングに反映させます。

実効性を高めるため、さまざまなNPOの協力を得て、委員会の運営に反映させます。


(3)最低限のリテラシー(対応力)を身に付ける方策 ・・・学習と啓発

先般、全国の成人5%を対象に行われたIT講習会では、主に、パソコンの操作方法やインターネットへのアクセスの仕方を教えました。

これからは、インターネットを安心して安全に使うことができるように、ネット社会の危険の回避の仕方、コミュニケーションでトラブルを起こさないためのルール(ネチケット)などを重視し、講習会などで学習、啓発を行っていくことが必要です。


ア 家庭での対応

家庭では、子どもに対して、ネット社会が危険な世界でもあることを知らせ、後に述べる「田中家の七か条」などを参考に、対応策を親子で共有することが重要です。

「うちの子に限って・・」と他人事のように構えて安心していると、ある日突然、愕然とする羽目になります。

犯罪や悪意からの攻撃から子どもと自分自身を守るために、また、子どもが突然に反社会的行動に陥ることを回避するためにも、親は最低限のリテラシー(対応力)を身につけなければなりません。行政や地域は、そのための支援を行う必要があります。

イ 学校や地域での対応

学校の先生のリテラシーもまた重要です。何といっても、子どもが日常的に接するのは、家庭以外では学校の先生なのです。子どもがITを前向きに活用する面においても、ネットの危険を回避する面においても、詳しい技術はともかく、先生が最低限のリテラシーを身につけておくことが必要です。しかしながら、ここでもまた、子どもの技術におとな(先生)が追いつかない現実があります。

先生に対しては、教育行政の役割が重要ですが、地域、NPO、民間企業、行政が連携して、適切な講習を実施することが有効だと思われます。NPOの中には、早くからこの分野での支援を行っている団体がたくさんあり、また、ネット関連企業の中にも、社会貢献事業として学校への講習会などを計画しているところがあります。

学校もまた、少し地域に開いて、この分野での支援を受け入れていくことが必要だと思います。

子どもに対する人権教育の面でも、学校は重要な役割を持っています。


(4)親子のコミュニケーションを回復し、家庭の子育ち環境を再生するための方策

この4か月間に、私たちはこの問題に深く携わる方々のすぐれた知見、考え、提案にたくさん出会いました。その中から三つ、ご紹介しましょう。


ア 乳幼児のメディア接触時間を制限しよう

これは、ネットへの対応力(リテラシー)以前の問題です。
乳幼児期の親子のコミュニケーションは、その後の子どもの成長と親子のきずなにとって大変重要な役割を果たします。この時期には、子どもとメディアの接触時間を制限し、身体的接触を含む生身のコミュニケーションをしっかり行う必要があります。テレビにお守りをさせることは危険です。

日本小児科学会は、「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」として、次の提言を行っています(2004年4月)。

1 2歳以下の子どもには,テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず,長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が 高まります。

2 テレビはつけっぱなしにせず,見たら消しましょう。

3 乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。見せるときは親も一緒に歌ったり,子どもの問いかけに応えることが大切です。

4 授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。

5 乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見おわったら消すこと.ビデオは続けて反復視聴しないこと。

6 子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。


イ 我が家のコミュニケーション度をチェックしよう

 次は、親子、家族のコミュニケーション度のチェックリストです。法政大学助教授の坂本旬先生が考案されました。我が家のコミュニケーション度がどれぐらいかについて、家族でチェックしてみましょう。「はい」が多いほど危険です。

<コミュニケーション不全のチェックポイント>

(1)朝子どもが起きても「おはよう」と挨拶しない。
(2)子どもは家に帰ってくるとまっすぐに自分の部屋に行く。
(3)子どもに「ありがとう」といったことがない。
(4)過去1か月、家族みんなで大笑いしたことがない。
(5)子どもが使うパソコンは子ども部屋にある。
(6)子ども部屋に子ども専用のテレビがある。
(7)子どもが好きな歌手や芸能人を知らない。
(8)過去1ヶ月、家族でいっしょにテレビを見たことがない。
(9)子どもは自分に口答えをしたことがない。
(10)子どもを思いっきり抱きしめた記憶がない。


ウ ネットの問題で、親子で話しあいをしよう

 ネットの問題をきっかけに、親子がコミュニケーションを取り戻していくための「インターネット七か条」です。北区赤羽台西小学校の野間俊彦先生が考案されました。親子での話しあいを回復し、ピンチをチャンスに変える一歩となると思います。

下記は小学生向けですが、中学生向けもあります。すばらしい内容なので、それぞれのご家庭で活用してください。


「田中家のインターネット七か条」

(「親と子のインターネット&ケータイ安心教室」野間俊彦・矢沢久雄著)

第一条 インターネットはリビングで使います
第二条 何かあったら、すぐお父さんかお母さんに相談します
第三条 メールや掲示板に嘘や悪口を書きません
第四条 ウェブページの履歴を消しません
第五条 連続して2時間以上使いません
第六条 勉強のためにも使います
第七条 家では必ず声に出してあいさつをします

以上の通り、約束します。

  守れなかったら、1か月間毎日家のお手伝いをします。

           2004年7月20日  田中太郎

  約束を1年間守れたら、遊園地に連れて行きます。

2004年7月20日  田中一郎 田中花子


エ もっともっと家族でいろいろなことをしよう

現実には、おとなも子どもも忙しく、なかなか家族でいっしょに行動することが難しい状況もあります。
しかし、子育てができるのは、一生に1回、せいぜい数回のチャンスです。そのときを逃しては、二度とできません。

・ お父さんも、育児にかかわろう。
・ 一度と言わず、せめて週に何度かは家族でいっしょに食事をしよう。
・ 家族といっしょにもっと遊ぼう。
・ 保護者の仕事の仕方を見直そう。
・ 家庭を少し外に開き、育児を母親ひとりで抱え込まないで、外に支援を求めよう。
・ 福祉、防犯、防災、清掃などのボランティア活動に、家族いっしょに参加しよう。

このほかにも、家族が顔をあわせ、声をかけあい、力をあわせていく、そんな行動を意識的に創り出しましょう。
手をかけ、時間をかければ、かけただけの信頼と、きずなが生まれます。
一歩一歩、親子、家族のコミュニケーションを回復・改善させていきましょう。


(5)家庭、学校、地域、NPO、民間企業、研究者、行政などが連携して子育ち環境を支援するための方策・・・<あったか家族支援ネット>の形成

私たちは、家庭、学校、地域、NPO、民間企業、研究者、行政などが連携して家庭の子育ち環境を支援する<あったか家族支援ネット>の形成を提言します。

このネットワークにより、子育ち環境の悪化にストップをかけ、改善と建て直しに向かいたいと考えています。

高齢福祉の分野でも、防犯や防災の分野でも、地域での助け合いがますます重要になってきています。大地震を考えれば、地域での助け合いがなければ、生き残ることさえもできません。

子どもも同様です。確かに現状は悪いですが、支援を受ける側(家族)のニーズと、支援を行う側(地域)の力が、ようやくかみ合う状況になってきたように思います。

<あったか家族支援ネット>は、子どもの問題だけでなく、高齢者福祉、防犯、防災、地域環境、情報化など、さまざまな問題に取り組むネットワークとつながり、人と人との信頼関係を取り戻し、日本社会を再生させる豊かな地域力を形成していきます。



6 すべての方々へ〜 ピンチをチャンスに変えよう!

6月下旬、ネット社会と子どもたちの問題を考えるために、NPOと行政の関係者が緊急フォーラムの開催を呼びかけました。

このメールは、瞬時にさまざまなNPOのメーリングリスト(メール会議室)に流れ、7月15日に都庁で開催されたフォーラムには、NPOリーダーなど120人が集まり、真剣な議論を行いました。9月8日、再び都庁で開催された集会には300人が集まり、緊急提言素案を採択し、民間主導のネット社会と子どもたち協議会を立ち上げました。

ネット社会と子どもたちの問題が大変に難しく、重いことは事実です。最終的には、たくさんの人間の心にかかわることであり、何をどうすれば問題解決ができるのか、その道筋は簡単ではありません。世直しに匹敵するような大きな課題に、本当に私たちが向き合うことができるのかどうか。

しかし、この間の取り組みを通じて、さまざまな問題を解決する力もまた、ネットを活用して大きく成長してきていることを、私たちはあらためて実感しました。

4か月の間に、私たちは3回の集会と11回の意見交換会を開催し、210余人が参加するメーリングリスト(メール会議室)で1715通のメールを共有しました。私たちが知る限り、この瞬間に、日本で最も熱いメーリングリストであったと思います。

予想を超えた反響に私たちは驚き、そして勇気づけられました。同じような危機意識を持った方々が、これほどまでに多いとは、正直、考えていなかったのです。

さまざまな分野の専門家の知見も加わり、当初、混沌としていた問題意識は徐々に収斂し、問題の所在と解決の方向、そして具体的な方策へと、共通認識を拡げることができました。

もとより、この緊急提言は十分なものではありません。完璧な解決策を見つけるには、現実はあまりにも複雑です。検討している最中にも、事態は変化していきます。そして、問題を実際に解決することは、提言作成よりもはるかに難しいことは明らかです。

しかし、どこかで行動の一歩を踏み出さない限り、状況は悪化するばかりです。

私たちは、ピンチをチャンスに変えることができること、今がその時期であることを理解しました。

子どもたちは、明日の社会です。

他人まかせにせず、子どもたちは私たち自身で守る覚悟を固めたいと思います。

家庭、学校、地域、NPO、民間企業、研究者、行政などあらゆる分野の人々が連携し、力を合わせて問題の解決に取り組むことを心から希望します。

たくさんの知恵と力が必要です。

ごいっしょに考え、ごいっしょに行動しましょう。

私たちは、次の社会を自ら創り出すことができます。


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